日曜ラジオ

おっ早うございまーす!今日もいい天気だねえ。まだベッドの中にいる子たちは、早く飛び出した方がいいぜ。文字通り雲ひとつない青空だ。家の中にいるのはもったいなーい。さっさと顔洗って外にでようぜ。あ、ラジオを忘れないでね。日曜日朝9時はワタシ、口から生まれたお喋り男、実は実業家、ロックンロールとマネーと大騒ぎがだあああい好き、イカれたディスクジョッキー、「Mr.チャーリーのクレイジー・サンデー・モーニング」どうぞよろしく。今朝も最高のロックンロールに乗っけて、喋って、喋って、喋りまくるぜ。

先週もいろんな人が死んじゃったねえ。エロ本の万引き常習犯、捕まえてみたら警察官だったって?それで奥さん首吊ったって、何だか最悪の話じゃねえか。泣けるね。世も末だぜ。オッケー、今日最初のナンバーは、そんな彼女に捧げよう。あっちの世界でよーく聴いてくれ。行くぜ。最初の1曲。「ザ・クラッシュ!ポリス・オン・マイ・バック!」ミセス・リョーコ!オマエハスデニシンデイルー!

ザ・クラッシュ/ポリス・オン・マイ・バック

くうぅ!最高だね。ミック・ジョーンズ。奴は天才だ。声量がないって?そんなの関係ないね。ロックは音じゃない。魂だ。声が出るかどうかなんてどうでもいいんだ。耳じゃないぜ、ハートで聴いてくれよ。ところでさ。今日は記録的な猛暑になるみたいだ。熱中症に気をつけろってさ。水飲んでくれよ。水飲むぐらいならビール飲んだ方がマシと思うけどさ。でも夏をナメちゃいけないよな。脱水で死ぬなんて、あんまりかっこよくないってもんだ。ヘタな死に方したら、ここでさらし者になっちゃうぜ。洒落になんないよ。冗談はさておき、さっそく最初のコーナーに行ってみようか。

ザ・デイ・オブ・リビング・デッーーード!皆さん、お待たせしたぜ。日曜日の朝の大人気コーナー。今日初めてチャーリーのラジオを聴いたって奴らのために説明した方がいいかな。いいかい?人は皆死ぬ。死ぬのはしょうがない。ワタシだっていつかは死ぬ。アンタもそうだ。でもさ。後になって、「死ぬ前に言いたいことがあったんだ。」なんてのがあるじゃんね。タンスに大金隠してたとかさ。気になって気になって大人しく死んでもいられやしない。残された方もさ、どうせ死ぬんだったら伝えておきたかったことあるよね。「世間があなたを変態と呼ぼうとも、私はあなたを愛していました。」とかね。そこでチャーリー様のおでましっ。生きてる人も死んでる人も遠慮しないでチャーリーに電話ちょうだい。あんた方の思いをしっかり伝えるよ!さあて、本日最初のリビングデッドは誰かな?

ハロー!名前を教えてくれ。

「おはようございます。マドンナと申します。」

「グッモーニング!マドンナちゃん。いい名前だね。」

「あ、本名ではないんです。ずっと歌手のマドンナさんに憧れていて、死んでから自分でそう呼ぶことにしたんです。」

「いいねえ、マドンナちゃん。つまり君は死んでいるんだね?」

「はい。LSDのやりすぎで、最後は倒れて来た郵便ポストに頭を打って死にました。」

「ノーノーノーマドンナちゃん。郵便ポストはそんな簡単に倒れない。がっちり地面に固定されているからね。君が倒れて郵便ポストに頭を打ったんだ。」

「あ、はあ、もしかしたらそうかも知れません。今でもまだ頭痛がするんです。ハンマーで頭を殴り続けられているような感覚です。死ぬのも楽ではありません。」

「オッケーだよマドンナちゃん。みんな聞いたかい?死ぬのも楽じゃないってさ。ところでマドンナちゃんは今朝は誰に何を伝えたいのかな?メッセージを教えておくれよ。」

「はい。ヤマダくんに、あなたとのセックスは最高だったと。」

「うぉっほーい。朝っぱらから、何だかシモだねえ。ヤマダくんてのは君の彼氏だったのかい?」

「いいえ。そういうわけではありませんでした。行きずりで何となくまぐわって、その後何回か。でも、つきあっていたわけではありません。彼には家庭もありましたし。」

「込み入った話のようだねえ、マドンナちゃん。いいかい?ワタシはまたこれでディレクターに怒られるんだ。朝からセックスの話はNG、それから重い話、特に不倫の話とかは絶対NGって念を押されているんだよ。今もほら、ガラスの向こうで凄く怖い顔をしている。」

「すみません。」

「すまないことは何もないぜマドンナちゃん。ディレクターとリスナーとどっちを取るって言ったら、ワタシは常にリスナーの味方だよ。あんなヒゲおやじのことは何も気にしなくていい。で、どうすればいい?ヤマダくんにセックスが最高だって伝えればいいのかい?」

「はい。彼は自分のサイズのことでずいぶん悩んでいるようでしたから。奥さんも物足りないって言ってるって聞きました。」

「何だ。そんなつまんないことを気にしてるのかい?さっきも言ったじゃん。音楽は音量じゃないぜ、ハートってさ。セックスだって一緒だあ。」

「そうなんです。ヤマダくんのセックスは最高でした。こう、えぐり取られた心臓が目の前で愛撫されてるような、、」

「オッケー、マドンナちゃん。その辺でおしまいにしてくれ、これ以上はさ、ワタシの首が飛んでしまうわい。今日は日曜日、朝はまだ9時を少しまわったばかりだ。空はピーカン。気温はすでに30度を超えている。この続きはまた、夜のバーかどこかで聞かせてもらうとするよ。ところでマドンナちゃん、リクエスト曲を教えてくれるかな?もちろんセックスの上手なヤマダくんに捧げるナンバーだよね?ライク・ア・ヴァージン?」

「えーと、ドアーズをお願いします。」

「え?ドアーズ?」

「はい、ヤマダくんが好きなんです。ドアーズ。最初にセックスした時もドアーズがかかってました。すごくいいんです。リズムにあわせて後ろからピスト、、、」

「おおおおおっと、オッケー。よくわかった。ヤマダくん。聴いてるかな?マドンナちゃんが言っている。君のセックスは最高だってさ。サイズじゃないぜ、ハートだぜ。不倫相手でLSD中毒のマドンナちゃんからのリクエストだ。カモンベイベー!行くぜ!ドアーズ!ライト・マイ・ファイヤーーー!」

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